久光良一さんの第二句集で、自由律俳句です。
2013年に第一句集「走り雨」を出されて、2015年にこの句集を出されています。2020年に「男という孤島」という句集を出されています。残念ながら、この三冊は県立図書館にはなかったので、アマゾンで購入しました。
久光良一(ひさみつ・りょういち)さんは、1935年生まれで、定年後の1992年に自由律俳句「周防一夜会」に入門され、現在に至っています。現在も山口県在住だと思います。
「久光良一」で検索すれば、youtubeで「おかゆらんどTV」の【ふるさと田布施】自由律 久光良一さんインタビューがみれます。
第一句集はKindleの電子書籍を買ったのですが、あまり興味がわきませんでした。それから、万葉集に移って、「現代万葉集」などをよんでいたのですが、私のストライクゾーンにはいらなかったので、もう一度、自由律俳句をよもうと思い、第二句集をヤフオクで購入しました。
それが、第二句集「残り火」で、平成21年から24年までの300句です。この句集には、最初の1ページから心に入ってきました。最初に2句です。
心すなおな息子になって骨壺の前
似たようなさだめ生きてきた妻の背をさする
やはり、私は、自由律俳句が好きなのだと思います。
次に、その本の帯に表と裏をのせておきます。
残り火に息吹きかけ明日も生きようと思う
まだまだ初心者のつもりでいた私も、いつのまにか傘寿を迎える歳になった。
ポエジーを大切に、自分なりの叙情世界を作り上げたいという私の思いをこめた第二句集である。(「あとがき」より)
自薦十句です。
眠れぬ夜の牛乳ぬくめて一人のキッチン
ほたるほたる、自分をしばらく消して見る
突き抜けるものが欲しい、平穏な日々を
ズボンにしがみついたバッタよ跳べ、とぶのだ
筋書きのない明日へそれでも花は咲く
悲しみも三日寝かせて人生の味にする
それでもやはりあしたを明るい日と書いてみる
残り火に息吹きかけ明日も生きようと思う
追い越されてもわたしも前に進んでいる
うとまれてもうとまれても雑草がいい