久保田豊和さん(「畑仕事の十二カ月」の著者)に教えていただいた「百姓伝記」によると、二月(旧暦)は次のように書かれています。
二月節になるといろいろの椿の花が咲く。やぶ椿は冬のうちから二月まで咲くものである。雁は友と連れだって北東に向かい、もといた場所に帰る。夏の棲みかはえぞの奥地だと言われている。そこで子を産み育て、また秋に戻るという。燕は群をなして南東から渡ってくる。いろいろの鳥が卵を産もうとして巣を作る。さまざまな海草が芽を出しはじめる。桃の花が初めて開く。山野辺の ひばり は木よりも高く舞い上がってひっきりなしに舞い遊ぶ。陽気が立ちのぼるため、春雷の音がきこえることがある。野辺では小さい蝶が菜の花や大根の花にたわむれ遊び、あぶは花房の蜜を吸う。ふきのとうは花を開き、ちがやの花は野辺のあちこちに顔を出す。二月の終わりには、苗代を作るための準備を急ぎ、どこでも盛んに田を打ちはじめる。
岡山後楽園の「花ごよみ」では、二月(新暦)は、スイセン、ウメ、ロウバイ(~上旬)、カンツバキ、ツバキが見ごろとなっています。