残りの日々を楽しく

そろそろ終活の季節になってきました。残りの人生を前向きに生きていきたいと願って名づけました。

ウパニシャッドからヨーガへ

タイトルの『ウパニシャッドからヨーガへ』は佐保田鶴治さんが、昭和52年に平川出版社から発行した本の題名です。

その「序」で次のよう述べられています。

ウパニシャッドは宗教と哲学において最古のそして最高の権威とされているだけでなく、世界の宗教、哲学においても最高の古典のうちにかぞえられるべきものであります。哲学と宗教神秘思想の本質はウパニシャッド思想のなかに欠けるところなくそなわっております。」

「他方ではウパニシャッド思想圏の外で、サーンキャ(数論)哲学が生まれます。この哲学の創始者たちの多くは正統派バラモンではなくて、当時の上流知識層であった王族出身の人々であったと思われます。これらの王族すなわちクシャトリアは、その偉大な代表者であるブッダやマハービーラほどにバラモン思想から独立してはいなかったのです。かれらは大史詩マハーバーラタ、特にバガヴァッド。ギーター(梵歌)に見られるような一神教的な色彩を帯びた宗教を創造しました。それらのいわば王族とバラモンの混成思想圏の中で、サーンキャの哲学は生まれたと言ってもよろしいでしょう。」

ウパニシャッド思想は後に体系的に発達してヴェーダーンタ哲学を生みます。ヴェーダーンタとは元来ウパニシャッドの別名であったのです。このヴェーダーンタの哲学・宗教のなかでもヨーガは発達します。ヴェーダーンタ・ヨーガが形成される後期のウパニシャッドの時代になると、サーンキャまでもヴェーダーンタ思想のなかへ取り込まれてしまいます。」

「私は本書のなかで、ウパニシャッド道士集団の間で神秘思想の宗教と一元論の哲学が発達してきた過程を明らかにし、次いで、この思想圏のなかでヨーガの修習技法がどのように展開していったかを究明しました。」

「インド古代の宗教神秘思想ならびにそれと不可分に結びついた宗教一元論は仏教思想の背景であったし、後に仏教とヴェーダーンタの相反と相依の弁証法的交渉のなかで、大乗仏教の思想と信仰を呑みこんでしまいます。ヴェーダーンタ哲学の根元であるウパニシャッドの研究と理解は特に大乗仏教の理解の上に大きな関係をもっております。」

この本で、仏教とヨーガの関係を学んでみたいと思います。